年が明けてすでに半月たちますが、体感では3日くらいなことに焦っております、北川です。
ここ最近のニュースはバス転落事故とココイチ廃棄商品転売騒動でもちきりですね。私としては、両者とも激安商品のリスクという暗部が少しだけ漏れ出た事件だと感じております。
どちらもまだ捜査段階ですが、バスは激安ツアーで下請けへの圧力が原因にありそうですし、廃棄品転売はスーパーだけでなく、弁当屋に流れ提供されていたようです。
たまにビックリするくらい安い弁当がありますし、バスツアーがあります。これらは、激安であるためにはなにかしらの理由があるわけですね。どこかに歪みがなければ、このような商品は成立しません。
つまり、安さを追求するということは、リスクを増やしていく行動なのです。これは常に意識する必要があります。これを避けるには物を見る目が必要ですが、安さだけを追い求めては、この目が養われることもありません。
もちろん、バスや弁当だけではありません。
高齢者でいえば、例えば某テレビ通販。パソコンが1円だからと購入し、結果高額な通信費を長期間払い続ける人に数回お会いしております。文句言いながら次回も同じとこで買う気なので、この場合はどうしようもありませんね。
我々、マッサージ業界で言えばここ数年で一気に店舗数を増やした「60分2980円リラクゼーション」と言う名のマッサージ。それ以前は、10分1000円という単価が普通でしたので、ざっくりこれまでの半額になったということです。正に激安。
ネット上では、「この激安もうまく使えばいいじゃない」などとありますが、先ほど書いた通り「リスクを増やしている」ことを理解している人だけ利用するべきだと思います。私から見ると、大きなリスクがあります。
具体的にどのようなリスクがあるのかを考えていきます。
まず一つに、施術を行うのは多くの場合、数週間の研修を受けただけの素人だということです。私は「あん摩指圧マッサージ師」という国家資格を持っていますが、この資格を取得するために数百万円というお金と3年の時間を使いました。
マッサージという人の体に直接触る行為を行う上で、安全を考えれば大きいな差だと思います。
あまり大きく報道されることはありませんが、マッサージなどの手技療法による後遺症の残るような事例も報告されています。
このような事故が発生した場合、客へ賠償の必要があります。その時に問題になってくるのが、スタッフと会社の契約方法です。
激安マッサージ店では「業務委託」という形態が多くあります。何が問題かというと「会社が雇っているわけではなく、会社から個人経営者に委託してるだけなので、トラブルについて会社は知りません」という可能性が出てきます。通常の店舗であればお店自体が保険に入りますが、それがされていないかもしれないのです。
こうなると個人が責任を取ることになりますが、多くのスタッフは保険に未加入なため最終的に泣き寝入りや逃げられてしまう可能性が高くなってきます。
怪我をさせても責任を取らないマッサージ。それでもあなたは利用しますか?
色々と書きましたが、私のスタンスとしては激安だろうとマッサージを受ける層が広がるのは歓迎ですし、激安があることで国家資格が際立つ結果になるのではと思っていますので、経営としては現状望むところです。ただ、健康被害が増えることは避けられないだろうことが残念です。これは今後の規制次第ですね。
最後に本筋とズレますが、今後の激安マッサージ業界を考えます。
まず、現在手広くやっている会社がより店舗数を増やすでしょう。現在より安い価格設定になり、小さなとこは淘汰されます。その内、どこかの会社が上場し最盛期を迎えます。上場会社が事故を起こすと、今までより大きな扱いをされます。そして、ワイドショーなどで無資格問題が取り沙汰され議論が巻き起こります。
この先は政治力の問題になってきます。脱毛業界のように潰されていくのか、美容院業界のように資格が緩和されていくのかです。この辺りは生暖かく見守っていきたい所存です。
へばの〜
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